最新ニキビ治療・メカニズム
最新ニキビ治療・メカニズムの解説をいたします。
多くの患者さまや、皮膚科専門医の先生方や他科の医師の先生方からも、ご質問をいただく事が多いので、ここに解説いたします。
ニキビのメカニズムは、毛穴に貯留した皮脂が、紫外線や睡眠不足で過酸化脂質となり、その近辺のタンパク質も、酸化タンパク質となり、それらが皮膚に吸収されると、それぞれの悪性度(酸化悪化度)に応じて、炎症が起こってしまうのです。また、長年炎症を繰り返したために組織に貯留し残存したこれらの悪化度のひどい過酸化脂質や酸化度のひどい酸化タンパク質のために、少しの紫外線や寝不足で、すぐに炎症を起こすレベルの強過酸化状態になり、再発してしまうのです。ニキビで、炎症が繰り返すのが、このメカニズムなのです。
アクネ菌は、元々のニキビ発症の原因ではありません。そもそもの原因は、今まで述べたように、過酸化脂質なのです。ただし、炎症の進行期(ブツブツが10個以上で可能した膿疱の2,3ある時期)においては、ダメージを受けた表皮や毛のう壁から、アクネ菌が皮膚内に侵入するので、そのとき初めてアクネ菌も原因のひとつとなります。でも、メインではないので、ここ20年、30年、抗生物質治療で、6ヶ月飲み続けても、少し良くなる場合もあれば、全然効かない場合も、当然出てくるのです。
なぜ、ベンゾイルパーオキサイドや、クリンダマイシンとの併用薬や、アダパレンや、ベンゾイルパーオキサイドとアダパレンとの併用薬などで完治しないのか?
それは、これらの保険薬では、ニキビの炎症を少しは治せても、根本的な原因の、皮脂やその関連のタンパク質の過酸化を全く抑えきれないからなのです。つまり、、炎症性のニキビを少し抑えられても、新しくできるニキビを防げないので、根本的に治らないのです。原因の根っこを完璧に押さえない限り、問題は解決いたしません。
日本では、一般の皮膚科では保険治療が主体で、美容皮膚科(自費治療)では、いまだにピーリングやレーザー治療などが主体ですが、欧米最新研究でのニキビのメカニズムの理解や、それに基づく、根本的治療が、ほとんど行われておりません。
決して、日本の医師や医療が遅れているのではなく、国公立の病院の先生たちは、厚生労働省、文部科学省の指導のもとに、診療活動を行わなければならず、日本のニキビの保険薬であるベンゾイルパーオキサイドや、クリンダマイシンとの併用薬や、アダパレン(それも0.1%しか認可されていない)や、ベンゾイルパーオキサイドとアダパレンとの併用薬など、欧米で15年~40年前に認可されたものしか使えないのです。
美容クリニックの医師先生たちも、オーナー院長でないかぎり、クリニックの診療方針にしたがわざるをえず、10年以上遅れているピーリングや、アクネレーザーなどを選択するしかないのです。
もう一度、お伝えしますと、
ニキビのメカニズムは、毛穴に貯留した皮脂が、紫外線や睡眠不足で過酸化脂質となり、その近辺のタンパク質も、酸化タンパク質となり、それぞれの悪性度(酸化悪化度)によって炎症を起こすのと、長年炎症を繰り返したために組織に貯留し残存したこれらの悪化度のひどい過酸化脂質や酸化度のひどい酸化タンパク質や酸化ポリフェノールのために、少しの紫外線や寝不足で、すぐに再発し、炎症の繰り返しを招いてしまうためなのです。なぜ、ベンゾイルパーオキサイドや、クリンダマイシンとの併用薬や、アダパレンや、ベンゾイルパーオキサイドとアダパレンとの併用薬などで完治しないのか?
ごくごく当たり前なのです。
繰り返しになりますが、炎症の起こっているニキビを少しは、これらの保険薬で治せても、根本的に治せないのは、炎症の直接の原因の過酸化脂質や酸化タンパク質を抑える作用が全くないからなのです。
なぜ、当院で行っているリン酸ビタミンC治療なら治るのでしょう?
リン酸ビタミンCという皮膚に吸収される、単なるビタミンCで、ニキビが出なくなっていくのでしょうか?
これも当たり前でございます。
やはり、繰り返しになりますが、皮膚で、最も強い抗酸化力を発揮できるのが、ビタミンCであり、その中で確実に皮膚の中に入るのが、リン酸ビタミンCなのです(VCローションの主成分)。
ノーベル賞を2回取られたポーリング博士をはじめ、今世紀を代表する多くの医師・科学者が証明しております。つまり、好むと好まざるにかかわらず、リン酸ビタミンCをぬり続けていけば、炎症を起こす過酸化脂質や酸化タンパク質は必ずゼロになってしまうのです。
まだ、日本では、このような治療をしている病院は少ないので、今後、できる限り普及していきたい、と考えております。
また、当院患者さま方、どうぞ、ニキビやスキンケアでお悩みの方々をご紹介ください。USAの専門病院で当たり前に治るように、紹介患者さまたちが治ってしまう事を、ご理解していただけるでしょう。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
池野皮膚科形成外科クリニック 院長 池野 宏