「便り(たより)のないのは良い便り」
この言葉をお使いになったことはありますか?
スマホが生活の主役になり、「便り」を取るのは非常に簡単になってまいりましたが、
昔は連絡がないのは「連絡をよこす必要などないくらい毎日無事に元気にくらしている証拠」ととらえてよくこのように言っていました。
このコラムからちょっと離れてしまったなあと思ったらずいぶん間が開いてしまい9月になってしまいました。ご覧くださっている方々には「すみません」です。
この間は私も、毎日無事に元気に、ひたすら診療に手応えを感じて過ごしておりました。
このご時世下、自然発生的に現在の診療体制にたどり着いたわけですが、
予約制にできたことで、
目の前のご来院者さまとお話しできる時間、
ご遠方の方々へのメッセージの時間、
これらが増えたことがたいへんにうれしいです。
年齢的には私の同級生の半分くらいはリタイア組、
気づいてみたらクリニックもいつの間にか33年目に入っています。
キャパシティ事情から、33年のうちトータルほぼ半分近い年数で初診さま受付をストップしてまいりましたが……
今回、このような診療体制になってみたら、長年の患者さま10年ぶり、20年ぶり、30年ぶりの方にまで再びお役に立つことができるようになり、お互い再会を喜ぶことができるようになりました。
患者さま側も、どなたさまにも自然な時の流れと出来事があり、
それでもやはり「便りのないのは良い便り」でした。
先月にはとうとう4代目に当たるご家族さまを診療させていただける機会にあずかり、
町医者冥利に尽きる思いをさせていただきました。
医療機関なのに私の元気を患者さまが喜んでくださるなどとこれ以上のことなく、こんな私は本当に幸せ者です。皆さま本当にありがとうございます。
お礼をのべつつも、最後に、予約が先まで埋まりつつあることをここで先立っておわび申し上げておきます。