みんな大好きだよ
私のクリニックは一般診療(受付順に診察)を30年以上つづけてまいりましたが、
コロナ禍の感染防止対策には一番注意しなければいけない業種ということもあり、
ついに2020年から「予約制」に踏み切りました。今のところ一般診療再開の予定はございません。
もちろん急性湿疹、ヤケドなど急を要することには対応しておりますが、スキンケアは
それほど急がないこともあってそれなりに回っています。
さて、心の底から「予約制にしてよかった」と思うことがあります。皆さまのことをうかがう時間ができたことです。
まったく何の困りごともないように見える明るい方が、実はお家で高齢者さまのお世話に孤軍奮闘されていたり…
あるいはいつも笑っているお若い方がワンオペで2人3人の育児をされていたり…
目標の職業のためにがんばってきたけど、その業種事態が縮小傾向になってしまったり…
お体の不自由な方のお手伝いでソーシャルディスタンスなど遠い話だったり…
「リモートワーク」は理想的だけど、やってみたら味気ない毎日になってしまったり……
本来のご病気を抱えていらっしゃるのに、コロナ優先でご自身の治療が進まず焦りを感じておられる方……それでもお話したらみんな笑っておられます。本当に頭が下がります。
私のごときが解決策を提供できるわけもなく、ただただ真剣に聞いて相槌を打つことしかできていません。それでもたくさんのことを次々と話してくださいます。
もうみんなが十分がんばってきたこの時点になると「がんばってね」と言う言葉はむしろ薄っぺらく聞こえてしまいます。
「応援してます。」「体に気をつけてね」「困ったら言ってね」…どんな言葉がいいでしょう?
そうですね、今のわたくしなら「がんばっているみんな、大好きだよ!」が一番本心に近い気がします。「みんな、大好きだよ!」