コロナ禍始まって以来、灯が見えては消え、灯が見えては消え、のくりかえし、
外出規制が始まって以来、特に飲食店営業時間が短くなってしまいました。
一番たいへんなのは、そのお店を維持、時には幕を引いていかれるお店の方々ですが、
私たちも、ただ食べて飲んで、くだらない冗談に大笑いする機会がなくなってしまいました。
今になって、あの、後悔の原因にすらなった「食べて飲んで大笑い」は、生身の人間にはむしろ健康的なことだったなと思います。PC越しに飲む? ええ、新年のご挨拶で海外の
友人とやってみました。顔が見られただけでとてもうれしかったですが、2次元相手の質感は、現実には遠く及ばないように感じました。
同じ物語でも、紙の本と電子書籍では、脳の活動野がちがうそうです。内容・物語への想像が大きくなるのは紙の本。さもありなん。
この「メッセージ」ページはもともと、アメリカ皮膚科学会から正会員へのウィークリーメールのミッションから始めました。まだCOVID-19が猛威をふるっている段階で、学会会長から世界中の正会員皮膚科医へ向けられたメッセージからです。
いわく「今、我々に課せられたことは二つ。一つ目は言うまでもなく学問的レベルを磨くこと。もう一つは自分の患者さまとのコンタクトを切らさないこと」
そして会長の好きな映画のセリフを贈ってくれました。
「We‘ve got your back.」
今から60年くらい前の、何かの戦いの映画(日本では資料すらない)で、仲間うちで交し合った言葉だそうです。当時、円陣を組んで敵の攻撃をかわしていた中で、自分が誰かの後ろのついたとき「きみの背後はまかせろ」と言葉をかけあっていたそうです。
アメリカ皮膚科学会会長はそのセリフを拾い上げ、そこから転じて、各国の皮膚科医に向け、
「おまえの後ろ盾になるからな!」、「いつもあなたの背中を押しています!」それで私は考えたすえ、ご挨拶程度のことしか書けないけど、このメッセージページを始めました。
アメリカからこのメールを受信してからもうそろそろ一年になり、ワクチン接種も現実になりました。ただ世界中にこの先もたいへんな受難を抱えて生きていかなければならない方々が無数にいます。アジアでは政変など不穏な動きも多く、こんな平和な地で毎日ぬくぬく生きてていいのかなあ…と思います。そこで震災の日も近い今、原点に立ち返って、日本で何かしら受難を抱えておられる方が、もし私の患者さまの中にいらっしゃるとしたら、
もう一度大きな声で、「We‘ve got your back.」を贈らせていただきたいです。
とても遠い寒い地の方々、あまた自然災害から元に戻れていない方々、もちろん成増で出会った方々も、長くお目にかかってなくても、当院にお越しのすべての患者さまにも向けて。