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皮膚科形成外科医院池野クリニック

池野皮膚科形成外科クリニック
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2021.08.17

ふたりの女神

No.469

台風につづき、特に九州、広島で大雨の被害がたいへんです。報道で被害のあった地域の名前を聞くと、ときにはその土地の患者さまのお顔が思い浮かぶこともありとても心配になります。

皆さまとそのまわりの方々、ご無事でいらっしゃるでしょうか?

皆様のご無事とご安全を、心よりお祈り申し上げます。

 

毎年8月に入りますと、過去の戦争についてのテレビ番組が多くなります。6日の広島慰霊祭、9日の長崎慰霊祭、15日の終戦(敗戦)記念日…そのたび、教科書には載らない一般市民の方々がそれはそれは真摯に一生懸命生きられたお姿を拝見することができます。

 

餅田 千代さんと石綿 さたよさん、皆さまこのおふたりの女性のお名前をお聞きになったことはおありですか?

 

餅田 千代さんは、長崎原爆被災後、頼れる大人のいなくなってしまった、いわゆる「戦災孤児」のお世話をする場所「向陽寮」の初代寮長さんでいらっしゃいました。石綿 さたよさんは、東京、特に1945年3月10日の東京大空襲で親御さんをなくしたお子さまたちのために自力でその場所「愛児の家」をご用意、自ら出向いてお子さまを迎え入れそしてお世話をなさった方です。どちらさまもお子さま方の「お母さん・ママ」を貫いてたくさんのお子さまのその後の道を照らしました。

餅田 千代さんはお子さま方を「かわいそう」と表現するとき「可哀想」ではなく「可愛想」と表現なさいました。

きれいごとばかりではなく、深く傷ついたお子さま方の中には「お母さん・ママ」を裏切るようなことも多々あったようです。それでも残って今そこにいるお子さま方のために、あるいは裏切った子が帰ってきたとき、毅然と前を向いて笑顔を絶やされなかったことに心を動かされます。見習うと申すとおこがましいですが、学ぶべきことがたくさんあります。当時他にもそのような方々がいらっしゃったようです。

 

「愛児の家」さまとはわずかながらご縁を持たせていただいています。接点があるのはいつも窓口になってくださっている理事長先生です。愛児の家は当初からの誠意をそっくりそのまま今も変わることなくつなげておられ、理事長先生からおうかがいするお小さい方々のいきいきしたお姿は美しいエネルギーの塊のように映ります。理事長先生からは「戦災孤児」のことをたくさん教えていただきました。ご紹介いただいた書物に掲載されているお子さま方と私の年齢は20才位しかちがいません。20年と言えば歴史の中ではほんの一瞬です。ですから掲載されているそのお顔と自分の顔が重なることがあります。

 

今コロナ禍で私たちは感染防止にがんばっていますが、70~80年前はお小さい方々も砲弾の下、食糧不足始めたくさんの受難の中たいへんながんばりをされていました。もしよろしかったら8月のうちだけでもそれらについて想いをはせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

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