あなたがどこかで
あなたがどこかで 悲しいときは
あなたが見上げる星になりたい
あなたがどこかで 寂しいときは
あなたに微笑む空になりたい
忘れないで もう一度言うよ
あなたは一人じゃない
忘れないで 何度でも言うよ
あなたは一人じゃない
あなたがどこかで 苦しいときは
あなたを励ます歌になりたい
あなたがどこかで 頑張るときは
あなたを支える夢になりたい
あなたがどこかで 泣きたいときは
あなたを守れる愛になりたい
これはNHKテレビで、もう60年近く続いている、5分くらいの短い番組「みんなのうた」で紹介されている歌です。どなたさまも一度はこの番組をご覧になり、中には幼い頃の記憶に残った歌がおありの方もいらっしゃるでしょう。
この歌、詩はとてもシンプルですが「誰かのために」が主題になっているところがとてもきれいだと思います。こんな気持ちで生きていきたいと思える歌です。
詩をお創りになったのは松井 五郎さんと言う方、作曲して歌っておられるのは玉置 浩二さん。ちょっと大人の皆さまは「安全地帯」と言うバンドをご存じでしょうか?1982年デビュー「ワインレッドの心」「悲しみにさよなら」…大人っぽい歌をたいへん豊かな声量で朗々と歌って80年代を代表するたいへんな人気バンドになり、その後、玉置 浩二さんは俳優活動も始められ個性的な役柄をこなして、独特の存在感を表現されています。その玉置 浩二さんがささやくように、抑えて抑えて、静かに歌っておられるところが逆に心にしみいる歌です。
また、この歌には米津 玄師さん「パプリカ」のアニメーションをお創りになった加藤 隆さんのアニメーションが流れます。加藤 隆さんは「孤独に自分の道を行く人に優しく語りかけている印象で、他者との出会い、土地との出会いによって自分を作り上げていく冒険者としての少年の姿が浮かんだ」そうで、そのお言葉どおり、水彩画のような、歌と同じように抑えて静か、そして優しいアニメーションが流れます。
どなたさまも、どこかの時点で、頑張っておられたり、泣きたくなったり…そんなときがおありでしょう、特に今は。そんなとき、この歌とアニメーションを静かにお聞きになったらきっとお力になると思います。
「みんなのうた」には元気な歌が多い印象ですが、この歌のように大人向けの歌もあります。チャンスがあったら歌とアニメーションで、この歌に世界に入ってごらんになるとホッとされることと思います。