「心で拍手」
これは、とある飲食チェーンの創業者さまが、まだお店を始めて間もない頃に創作されキッチンに貼られた標語の一部です。1978年に愛知県の一都市で始められ、今では日本国内で1,200あまり、海外にも200の店舗があり、まだまだ増えていくそうです。
日本中あちこち、どの都市にもお店があり、キレイな店舗でハツラツとした応対、たくさんの食べ方の楽しめる、おそらく苦手な方は少ないであろうそのお店のメニューは「カレー」。もうお分かり、行きつけの患者さまがいらっしゃるかもですね?お店の名前は「○○壱番屋さん」。私もまずカレーが好き、あのお店の味が好き、トッピングが無数にあって、そして比較的安価、それで折々お世話になっています。○○壱番屋さんのメニューはすべてのトッピングを組み合わせると単純計算で12億通りになるそうです。その創業者さまも今は会社の一線を退かれ、社会貢献に力を注いでおられます。
カレーのお話はまたの機会として、今日ご紹介したいのは、創業者さまが掲げておられ、今でも誇りと共に紹介される、この標語です。
全文は「お客様 笑顔で迎え 心で拍手」です。
この創業者さまは「まだ始めたばかりなのにお店に来てくれてありがとう、拍手を送ります。」だそうですが、今の私はそれに加えて「これまでこんな地道なケアをしてくださってありがとうございます。本当に尊敬、拍手を送ります。」があります。日々目にする様々な標語の中で、最も私の琴線に触れた(きんせんにふれた=感動、共感した)、「ささった」のでご紹介させていただきました。
もう今では何気なく、症状に合わせてクスリを処方して、ケアの仕方をご説明して…の日常ですが、それでも「メンド―で地味、地道な手入れ」を毎日朝晩欠かさずしてくださっていることは、1997年初めてVCローションを処方して以来、どの患者さまも何も変わりがありません。皮膚環境は常に変化しますから「〇日間この薬を使ったら治療は終わり」とはならないことも多く、皮膚が不調になったら、また同じように根気よく毎日丁寧にお手入れしてくださっています。これは97年以来この25年変わりません。
私は根気がないタイプなので、三日坊主だったり一日坊主だったりします。VC関連を処方し始めた頃は「こんなメンド―なことを、二か月も三カ月も続けていただけるものかなあ、忙しいのはどなた様も同じなのに…並大抵なことではないのに…」
ところがそんな心配をよそに、しばらくすると「こんなに良くなりました。」と言ってくださる患者さまが続出し、とてもうれしかった、心の底からうれしかったです。何より「こんなメンド―なことを…」続けてくださっていたことに、皆さまに頭が下がりました。「ありがとうございます…」と。
現場でお目にかかるご来院者さま、外用をお求めにいらっしゃる皆さま、また遠方からご連絡をいただきケアを続けていただいている皆さま方、通院が長くとも短くとも、どなた様にも私から……
「心で拍手」